Kristian Fyhr(Vo)のソロプロジェクトを母体に結成されたスウェーデン産ニューカマーの1st。シンプルで荒削りながら哀愁を帯びた美しいメロディが次々と湧き出る。まるでRay Alder(Fates Warning) meets Erik Martensson(Eclipse)といったKristianの歌声は強力な武器だ。多くのヴォーカルがファルセットを用いる繊細なフレーズを熱くなりすぎずに地声で張り上げるメロディのコントロールが抜群に巧い。どの曲も冷めたメランコリーが徐々に熱を帯びていくドラマティックな展開が待っており、アルバム終盤まで盛り上がりを保った構成も見事。近年のスウェーデン産80’sリヴァイヴァル勢のような華はないが、シンプルゆえにもたれずに何度も聴き直したくなる。